Stargazer
君のために笑うんだ
「夏の、まだ日が暮れて間もない時間には、南の地平線上あたりまで視界の開けた場所で、さいだん座を見ることができます」

そうナレーションの声が響き、さいだん座が姿を見せると、あたしの隣に座っていた亮太(りょうた)が「おお、さいだん座だ!」と目を輝かせる。あまりに大きな声だったから、慌てて腕をつねった。

「亮太、静かにしなさい!ここには小さな子どももいるのよ!?」

「ああ、悪い。つい興奮しちゃって」

笑う亮太に対し、ため息が出てしまう。自分の好きな星座が出ただけで騒ぐだなんて、まるで子どもじゃない。

「ほら、終わったから行くよ!」

亮太の手を引いてさっさとプラネタリウムを出る。大声を亮太が出したせいで、ジロジロ人に見られた……。

亮太とあたしは幼なじみの腐れ縁ってやつで、小学校から大学、さらに将来の夢まで同じだった。今は二人とも警察官として働いている。とは言っても、あたしは交通機動隊に、亮太は捜査一課の刑事と所属しているところは違うけどね。
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