異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
 フロントにチェックインしに出向かうと、緊張の余り心臓がバスドラムのように低い音でバクバクと音を盛大に鳴らし、手のひらにも薄らと汗が滲み出てきた。え、英語で話さないと……私はドキドキしながらもフロントスタッフに話しかけた。


「ハ、ハロー」


 カタコトの英語で挨拶をするとフロントスタッフはすぐに私が日本人だと気づいてくれ「ヨウコソイラシャイマシタ」と片言の日本語で対応してくれたのだ。その心遣いに心がポワンと温まり少しだけ緊張がほぐれた。


「Eの203号室はー……あった!」


 ズラリと並ぶ部屋のドアを一つずつ確認しながらやっと見つけたE203号室のドアにピッとカードキーを差し込むとすぐにガチャリと開いた。私の予約した部屋は一番グレードの低いシングルベッドの部屋なのでごく一般的なホテルの内装。もっとグレードが高く上層階のスイートルームなんかはネットで見た限りだと王宮の部屋みたいなデザインだったのでいつかは泊まってみたいなぁ、なんて贅沢な事も思ったけど、現実は辛い事に一番安い部屋しか無理だった。
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