異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
 ゆっくりと足を組み直す仕草が色っぽくてついジィッと見てしまった。長い足……オジサンって自分で言ってたけど何歳くらいなんだろう。三十代前半ってところだろうか。とっても物腰の柔らかく色気ある雰囲気で、奥二重のキリッとした瞳からさえも優しさが溢れ出ている。スッと通った鼻筋に薄めの唇。横顔も美術品のように整っていて、たまに動く喉仏が男の人だな、と思わせる。艶めいた黒髪には白髪なんて混じっていない。やっぱりオジサンなんかじゃない。一目見ただけでとても素敵な男性だと私にでさえ分かるのだから、きっとモテるだろう。
一人でオペラ鑑賞なんて……余裕のある素敵な男性なんだろうな……


「今日は一人で?」


「あ、はい。実は一人で初めての海外旅行なんです。どうしても生のオペラが見たくてやっとお金が貯まって来れました」


「女性一人で海外旅行なんて凄いな。オペラが好きなのかな?」


 ジッと見つめられ身体の火照りが冷めるどころか上がる一方、溶けてしまいそうだ。なんだかやけに喉が渇いてきた。

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