クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす


 白いエプロン姿の、40代くらいだろうか…
三角巾を巻いているから、パン職人らしい。

かなり細身で、くしゃくしゃの笑顔の男性が別の入り口から現れた。
その人が入って来た戸の向こうには大きなオーブンが見える。パン工房らしい。

「一年ぶりね~、柊哉君。」

レジにいた優しい笑顔の女性も、柊哉に話しかけている。
二人とも柊哉とは以前からの知り合いみたいだ。

三人があれこれと近況を話し始めてしまったので、
レジの接客はアルバイトらしい若い女の子が慌てて受け持った。

和優の位置から三人の話している内容までは良く聞き取れないが、
柊哉は、いつになくリラクックスしている様子だ。
相手に対する威圧感は感じられないし、普通に会話している。
和優への態度とは大違いだ。


「あ、ごめんなさい。私達ばかりお喋りして。」



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