ふんわり王子と甘い恋♡



「なにそれなにそれ、なんで!?」

「い、いや、ヨッコの見間違いかも、」

「私視力2.0!ななのことじーっと見てるから、私もフワリくんじっと見てたら目が合って、フワリくん焦って視線逸らした!」


「「「………」」」



いや、私を見てるわけがない。


見る理由がないし、全然、知り合いじゃないし……



取り合えずお弁当を食べなさいってミネに言われたけど、もう無理。


胸がいっぱいになるのって、胃もいっぱいになるのかもしれない。


だってもう、さっきまでグーグー鳴っていたお腹がウソみたいに苦しくて。


全然ダメ、私の左斜め後ろが気になって、食べられない……



「てかなんでななのこと見てたの?」

「し、知らない……私が聞きたい、」



むしろそれ、私を見てたんじゃないと思うんだけど。


私の方を見てたってだけで……


例えばあの髪の短い女子生徒とか、あのポニーテールの女子生徒とか。



もしかして、いるのかな、……この近くに。


フワリくんが目で追っちゃうような、存在の子が。


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