フヘンテキロマネスク
まあ理由はなんにせよ、授業よりかは断然いいということでクラスのみんなも大方盛り上がっている。『絶対優勝するぞ!』とやたら燃えているクラスメイトはちょっと面倒ではあるけど、楽しそうだからいいと思う。

問題はさっきからずーーーんとわかりやすく沈んでいる日菜だ。



「……まさちゃん、私あと10分したらお腹痛くなる予定だからよろしくね」

「いやいやいや。そんな急に仮病つかって消えたらやけに気合い入ってる清水しみずくんにどやされるよ」

「仮病はね、バレなきゃ仮病にはならないんだよ」

「すでに私にバレてるよ」



なにを言ってるんだこの子は、と思いながら日菜を見る。日菜は運動が苦手で、体育の成績では5段階評価で3より上をとったことがないらしい。っていっても、たかがクラスマッチだしそんな気にすることないと思うんだけどな。



「とりあえずもう体育館移動しよ」

「まって!絶対私足引っ張る……!」

「大丈夫だって!もし何か言われたとしても、言った人の方が白い目で見られるだけだよ。真面目にやってれば大丈夫」



「ほんと?ほんとに?」と今もまだ不安気な日菜を宥めながら体育館に移動する。体育館ではコートを半面に分けて男子はバスケ、女子はバレーの試合が行なわれることになっている。
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