ギガンテスの砦

謎を突き破れ

砦。
あれから数日間、何も起こらなかった。
そう思っていた。
実際は。

ヴィグはあの日から行動を起こしていた。独自に調査を開始していたのだ。戦闘種族としての勘と行動力が武器であった。砦の謎を解いてやる。

ギガンテスは、その周囲を巨岩で囲まれた封鎖村であった。自給自足。
岩を越える事は、禁忌であり絶対であった。唯一の門である砦には、近付く事すら許されてないのである。
近付いてよいのは、警備を任されている自警団と防衛にあたる戦闘種族だけである。この2つ、似ているようで微妙にニュアンスが違っていた。
元々軍備的な役割で存在している戦闘種族(巨岩があるため攻められる事も攻め入る事もないのだが)と、砦ありきの防衛組織の自警団である。それも英雄と呼ばれたゴォが設立したもので、まとまりがなかった見回り隊に統制をつけたものである。
だから、戦闘種族が自警団に入る事はないし、自警団が戦闘種族に歩み寄る事もない。
ただ、ヴィグがゴォに教えを乞うて仲がいいというだけの事だ。

そもそも、何故?砦の周りを警戒しなければならないのか?
ヴィグはその点に気付いていた。
何から村を守っている?
その謎を突き止めるのだ。
その使命に燃えていた。








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