【SR】秘密
じっと行方を見ていた桜が、良い香りを放つ白い容器の後ろに手を入れ、黒い物体を取り出した。


「よし、あと5分もしない内に来るはずだ」


用を終えた友人に、桜がそれを差し出した。


「刑事さん、これ……。」


「あぁ、バラすとかバラさないとか言ってたし、十分証拠になるよ」


友人が受け取ったのは、前以てセットしてあったテープレコーダー。


やはりテープが一番衝撃に強いと今だ根強く使われているその録音機には、会話が全て記録されている筈だ。


さっきまであんなに暴れていた男は、ぶつぶつと何か呟きながらうずくまっている。


「ストーカー行為、脅迫、及び殺人未遂。それに……」


友人がちらりと桜を見た。


「……薬物法違反の疑いで逮捕する」


ガチャリと冷たい音を立てる男の手元から桜が目を逸らして唇を噛む。


応援が来て男が連行されて行く時も、桜は背を向けたままだった。


「桜ちゃん、すまなかったね。警察に頼りに来てくれたのにこうするまで動けなかったなんて……。
桜ちゃんがされた行為は十分つきまとい行為になるから、ストーカー事案として取り上げられた筈なんだ。
本当に申し訳ない。
……犯罪は、犯罪なのに…………。」


「いいんです。こうして協力してもらえたし、もう……。」
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