【SR】秘密
そして、春

……・……・……・……


俺と友人に協力を仰いでストーカーの難を逃れた桜。


友人が用意したのは、警察官の制服とテープレコーダーのみ。


考えてみれば稚拙な作戦だったが、大成功だったのには間違いない。


あの後の捜査で、アパートの近くから配送業の息子である男のトラックが見つかった。


中にはロープやらトランクやらカメラやら、果てには布団まで敷いてあって、荷台は部屋の様になっていたという。


壁一面には、幼い頃から最近までの桜の写真で埋めつくされていたらしい。


計画書なるものには、当初から桜を殺して自分の物にするといった事が書かれていたんだそうだ。


……元々、そういう性癖の奴だったらしい。


なんだかんだ言って、結局殺すつもりだったと知って氷を飲み下した様に腹がヒヤリとした。


薬物のせいで気が大きくなっていたという話だが……。


……ジェミニも今はもうあの歓楽街から姿を消した。


俺は、あれからずっと思っていた。


桜は、不幸な境遇に身を落とされても幸運の星の元に生まれたんじゃないか、と。


あの時俺達と出会わなければその命は無かったかもしれない。


……不思議な事に、薬物反応も全く出なくて本人も首を捻っていた。


いや、やはり全ては努力次第という事か……。


桜が自ら行動して得た安心だ。


……あの後、普通にコンビニでバイトを始めた桜。
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