That's because I love you.
(……わかってる。…私は明広さんに一度も"好き"って言って貰えたことがない…わかってる…。今だって明広さんは、ただ"性欲解消"のためだけに私を抱いてる…だからこんなこと…考えちゃダメなのに…。)

後ろから突かれていたが、明広にふいに肩を掴まれ、また仰向けに体を転がされた。

「……っ…。……まりあ…。」

正常位で自分を求める明広に熱を孕んだ瞳で見つめられ、まりあの胸は一層苦しく締め付けられる。

(……明広さん。…私のこと…ちょっとくらいは、好きでいてくれてますか…?)

「……っふ…。…ぅ…、…。…明広…さ…。」

大好きな彼に抱いて貰えて嬉しいのに、幸せな筈なのに。
以前は確かに、不満など欠片も無かったのに。

最近まりあは行為中何故かいつも、胸が苦しかった。
涙が次から次へと溢れて止まらず、それを彼から隠すため、彼の背中に両手を回しぎゅぅっとしがみつく。

(……ごめんなさい…欲深くてごめんなさい。…こんなこと考えてるなんて…どうかバレないで。…明広さんに、嫌われたくない……。)



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