That's because I love you.
「…………。」
「…明広さん…?」
「…まりあ。…今日は優しく出来なくてごめんね。」
「……!」

ぼそっと謝罪の言葉を呟くと、まりあは頬を染めつつ、ふにゃっと力が抜けた様な笑顔を浮かべた。

「…どんな明広さんでも、私は大好きです。」

まりあは目一杯背伸びをし明広の唇にちゅ、と触れるだけのキスをした後、照れて微笑む。
まりあからの不意打ちのキスは非常に珍しいため、驚いた明広も思わず少し頬を染めた後、彼女の唇にキスを返す。

「…それならまぁ、いいか。」
「はい…っ。」
「…よくないでしょ。次から気を付ける。善処する。」
「ふふ…っ、ぜんしょ~。わぁ~い。」

ラブホテルの料金はいつも通り明広が全額払い、まりあをバイト先まで送った。
笑顔で手を振り、短期で新しく始めたというバイト先の花屋に入っていくまりあを、明広も微笑んで見送る。



ーーーこの時の明広は知らなかった。
この日まりあを強引に自分本意に抱いたことを、この先の日々で後悔することになるとは。


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