That's because I love you.
「にしても、御木本がまりあちゃんと付き合い始めてもう三ヶ月かー。お前がこんなに女の子と続いたの、初めてじゃね?」
「…まりあは他の女とは違うから。一緒に居て居心地良いし、ストレスもない。寧ろ僕と正反対な純粋さに触れてると、癒されるんだよな。」
「へー…お前からそんな言葉が出るとはな…。浮気しないのは何で?」
「悲しむまりあを見たくないのと…普通にまりあで満足してるから。可愛いし体の相性も良いし、わざわざ他のバカ女で抜く気にならない。」
「あっそ…。お前がまりあちゃんに恋愛感情持ってないのは知ってるけどさぁ、いい加減その酷い言い草何とかなんねぇの?"抜く"とかさ~。…まぁモラハラとかしないだけマシか…。俺の女友達がモラハラ彼氏に苦しめられててヤベーんだよ。完全に洗脳されてて別れろっつっても聞かねぇし~。」
「モラハラねぇ…。そんなことして何が楽しいのか理解出来ないな。優しくした時大袈裟な反応返してくるの見てる方が絶対楽しい。」
「"楽しい"っておい…ッ!お前、まりあちゃんで遊ぶなよ!?まりあちゃんが幸せそうにしてるから別れろとは言わねぇけど、本当は恋愛感情持ってないのに付き合うこと自体が間違ってるんだからな!?大切にしてあげてるんだろうなマジで…」
「はいはいはい。また始まったよ、はぁ…。」
「ちゃんと聞けぇ~!」
「…あ。」
「おっ…!噂をすれば、まりあちゃんじゃん。」

特別講義が終わったらしく教室から出てくるまりあを、前方に発見する。
彼女を見つけた時明広が一瞬愛おしそうに微笑んだのを見た森は、驚いて思わず固まってしまう。
明広はそんな森を置き去りにし足を速めてまりあに近寄ると、手に持っていたファイルで小さな頭をぽん、と軽く叩く。

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