俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




1ヶ月もしないうちにローテーションのように変わってしまうから、名前を一々覚えるのもめんどくさい。

まぁそれもこれもぜんぶわたしのせいっぽいんだけど…。



「大丈夫!理事長にはあとでちゃんと謝っておくから!それと花瓶のお掃除もするよ」


「…勘弁してくださいお嬢様。執事である私の評価が下がるだけだと言ったはずです」


「…うん、ごめん…」



そのため息だって慣れちゃった。

あと数日かなぁ…。

この執事がわたしの執事でいてくれるのは。



「エマお嬢様、朝の集会がもう少しで始まります。早く花瓶のお片付けに行きましょう」


「うんっ」



聖スタリーナ女学院。

ここは日本一のお嬢様学校、そして普通とは少し変わった学校だ。


学力的なレベルはもちろん高いのだが、何より御曹司に嫁ぐための相応しい花嫁を育てるといった教育方針の上に成り立つ高校。


お姉ちゃんの代わりに“柊”として通っているだけのわたしには、かなり荷が重いわけで…。



「うわぁ…派手にやっちゃったなぁ~」



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