恋は塩味（ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー）

不幸の連鎖・第１弾

＜不幸の連鎖・第1弾・その１＞

泣きっ面に鉢ということわざがあるが・・不幸の連鎖は続く。

その日のお菓子屋さんの店は、
ものすごい人出だった。
オーナーパティシエが、雑誌に載ったらしい。

インスタ効果もあって、お客さんが並ぶ状態だった。

冷蔵ショーケースにケーキが並ぶが、次から次へと減っていく。
うれしい悲鳴・・・
従業員たちは複雑だ。

夕方、閉店時間近くだった。
私はドロドロに疲れていたが、
気分は上がっていた。

今日は礼智と素敵なホテルの
バーで、デートの約束をしていたから。

お菓子はいろいろな洋酒を使う。
洋酒の知識・産地・特徴・香り・味・・
自分で体験しないとわからない。

この場面でも礼智の知識・うんちくはさく裂する。

デートというより勉強会になるが・・
その後は恋人の関係になる。
礼智はたぶん、ホテルに部屋をとっているだろう。

帰ろうと、更衣室に向かおうとしたところだった。

「桜田さん、悪い、ちょっと対応・・助けて！！」

大学生アルバイトの恵美ちゃんが
焦った声を出した。

「新しく入った子、お客さん怒らせちゃって・・・」