振り返ると、あなたは
大学を卒業して、周りが留学や院に進む中、俺は就職した。

全ては、結月と一緒になるためだった。

そして音楽ボランティア団体に所属し、土日はいつも施設や病院に弾きに行っている。

いろいろな思い出が浮かぶ中、演奏を続けていく。

結月と歩いた並木道、鳥居にバス停。
懐かしい情景が浮かび上がってくる。

そしてあの小さい手。
巻毛に天真爛漫な笑顔。

俺はそれを取り戻すためにここにいる。
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