猫目先輩の甘い眼差し


「それで、春休みから少しずつ作ってるの」

「親子で共通の趣味かぁ。仲良しでいいなぁ」



奥の本棚で立ち読みしながら小声で会話する。


なんと月香ちゃん、GWに両家の祖父母を家に招いてバーベキューをするそうで。

それで今、お父さんと2人で、庭に置くテーブルと椅子を作っているとのこと。



「えへへ。よく言われる。でも、世蘭ちゃんもお父さんと趣味同じじゃなかった?」

「そうだけど、たまにしか話さないから、仲良しじゃあないかな」



一応、動物が好きという共通の趣味を持ってはいる。けど、月香ちゃんほど仲良しではない。

あ、別に悪いわけじゃないよ。お母さんと3人でいる時は話してるから。

ただ、動物以外の話すネタがないだけ。



「そうなんだ。私毎日話してるよ。今日学校でこれ作ったよ~とか」

「毎日⁉ すごいね。私、家で学校の話ほとんどしないよ」

「そうなの⁉ お母さんにも?」

「うん。1回話したら、『あの話どうなったの?』って、後からツッコまれそうだから」



小学生の頃は、『今日友達と○○して遊んだ』とか『先生に褒められた』とか、毎日話してた。
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