猫目先輩の甘い眼差し


あと、私が猫飼ってるの知ってたんだ。一ノ瀬先輩が教えたのかな。



「確かに猫は飼ってますけど……昔は犬も飼ってたので、ちょっと選びがたいですね」



場を落ち着かせるように口を開いた。


真っ直ぐ気持ちを伝えてくる犬も、時々甘えてくる猫も。

すごく可愛くて、どちらか選べと言われても選べないくらい好きなんです。


と、中立派の意見を述べたら……。



「わかる! ちょこんってくっついてくるの、たまんないよね!」

「それなら犬だってくっついてくるぞ。対して猫はすぐどっか行くじゃねーか。あとツンデレだし」

「そうだけど、あの時々見せるデレがいいんだよ!」



後輩を放置して熱弁する動物部のツートップ。

仲直りしたと思ったらまた始まってしまった。



「ええーっ、全身で喜んでくれる犬のほうが可愛いに決まってる」

「いーや、猫の喜ぶ姿も負けてない」



両者共に、一歩も引かず。


ギャップ、激しいな。


知り合った時も、交流し始めた時も、変わってる人だなぁと薄々感じてはいた。

けど……ここまでムキになっている姿は初めて見た。


みんなの前では落ち着いて話していたから、普段は相当抑えてるってことだよね……。
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