猫目先輩の甘い眼差し


スクロールしていると、アクセサリーが収納されたケースの写真が目に入った。



「あっ、これ始業式の日につけてた髪留めだ。これも手作りだったよね」

「うん。ここに置いてるのは、ほとんどが部活で作った物だよ」

「えー! すごーい!」



写真をアップにし、1つ1つ見ていく。


ヘアアクセやネックレス、ブレスレット、イヤリング。

デザインも凝っていて、お店に並んでいても違和感がないくらい完成度が高い。

欲しい物を自分で作れるっていいなぁ。



「ねぇ、これってもしかしてルビー?」



すると、ずっと黙っていた樫尾くんが口を開いた。



「そうだよ! 小さいのによく気づいたね〜」

「友達が好きで自然と覚えたんだよ。これも手作り?」

「いやいや。これはお母さんからの貰い物。私、ルビーが誕生石だから」

「ってことは、7月生まれ?」

「うん! 樫尾くんは何月?」

「俺は11月。石はトパーズとシトリンだったかな」



左隣で盛り上がる2人を眺める。

誕生石……聞いたことがある。他にも、誕生花とか誕生色もあるんだっけ。

私は何の石だろう。
< 54 / 312 >

この作品をシェア

pagetop