きみは桜姫。
授業が終わって、同級生の話が聞こえてくる。

「なぁ、お前手挙げた?」
「挙げてねぇよ」誰かが言っている。

「なぁ宙、この辺空気悪くね?臭いなぁ……バイキンが舞ってるっていうか……」
風雅くんは言った。

「風雅……」宙くんは言った。

「あのヘボ教師が怖いのか?俺の言うことに刃向かうのか?」

「そうだね、風雅……でも……やりすぎだよ」

「はぁ?何言ってんの?

新学期早々俺の子分に勝手に挨拶した女子なんか、ボコボコにしてやる。

俺は大事なものは壊したいの。

大事なものの大事なものもぶっ壊したいの。

わかる?

俺はこれからも
宙に言うこと聞かせるし、

大事な宙の周りの虫も全部殺すの。

わかる?」

「風雅、三芳さんのことは、大事とかそんなんじゃ、ねえよ……たまたま挨拶された……それに、三芳さん聞いてるだろ」

「ふん。聞かせてるんだよ」
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