西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「掃除終わりました」
花苗が真白の部屋に行く。

「━━━━━だから!無理だって!」
秀実は、電話をしていた。
「秀実さん?」
「あ…とにかく、無理だから!」
花苗の存在に気づき、通話を切った秀実。

「どうしたんですか?」
「別に……
……………はっ!!花苗さん、お願いがあるんですが……」
「え……?」

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「ご友人を屋敷に紹介したいかぁ…
でも、黄河さん達が何て言うか……」
「きっと、ご主人様達大反対されますよね……」
「秀実さんは、使用人だし……」
秀実が友人に自宅に招待してほしいと言われていることを、花苗、水樹、野沢に話した。

花苗達は、困惑していた。

「あの!だから黄河さん達には内緒で、花苗さんと水樹さん達に協力してほしいんです」
秀実は身を乗り出すようにして、三人に提案してきた。

「…………わかりました」
花苗が静かに言った。
「花苗様!!ダメですよ!!
ご主人様達にバレたら、大変なことになりますよ!!」
水樹が焦ったように、声を荒らげた。

「大丈夫です。水樹さん達のことは、私が守りますから!」
「そうではありません!!」
「え?水樹さん…?」
「私が心配してるのは、花苗様の事です!!」

「え?わ、私…?」
「花苗様…身体、ぼろぼろじゃないですか!?
若様に今度は何をされるか……」
「え……私の身体、見たんですか?」
「申し訳ありません。この間、花苗様が体調を崩された時に身体をお拭きしたんです」
水樹が少し俯き言った。

「そうだったんですね……
大丈夫ですよ!朱雀にちゃんと愛されての事ですから!
秀実さん、ご提案されたようにその日だけ黄河さんの奥様として対応するってことで大丈夫です。
その代わり屋敷内ではなく、東屋での談笑にされてください。屋敷内へは、できる限りご友人を入れないようにお願いします。
水樹さん、野沢さん。
塩見さんと斎藤さんにこの事を情報共有お願いします。でも、森宮さんには絶対に言わないでください」

花苗は秀実や水樹、野沢を見据えて言ったのだった。
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