西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「なんなの?兄さん」
帰りのリムジンの中で、朱雀が黄河に問いかける。

「ん?」
「僕の為に、警告したんでしょ?
計画してることって何?」
「今は言わない」
「どうして?」
「お前を…壊したくないからだ」

「僕を壊す?」
「……って事は奴等、苗に何かしようとしてんの!?」
朱雀が壊れると聞けば、花苗に関することしかない。
真白が少し焦ったように言った。

「警告はした。
だから、もう…気にするな!」


「おかえりなさい」
三人が帰ると、いつものように花苗が出迎えていた。
「花苗~ただいま~」
朱雀が花苗を抱き締める。
「なんか…今日…苦し…よ……」
「このまま……骨、折ろうか?花苗」

「え……」
「そしたらもう…離さなくて済むかな?」
「朱雀、やだ…やめて…!!」
「フフ…ごめんね……」
そこで腕を緩めた。

「す、朱雀、どうしたの?」
顔を覗き込んで言う花苗。

「なんか…怖いの……花苗が僕の前からいなくなりそうで……」
「え?そんなわけないでしょ?
私は朱雀や黄河さんや、真白くんがいないと生きていけないって言ったじゃない?」
そして、朱雀の頬を両手で包み撫でた。

「うん…そうだね」
「リビング、行くぞ」
「苗、行こ?」
黄河が朱雀の肩をポンポンと撫で、真白も花苗の頭をポンポンと撫でた。

「花苗、どこ行くの?」
「え?トイレだよ。お願い離して!」
「だったら僕も行く」
「へ!?」
「大丈ー夫!中まで入ったりしないから!
ほら、行くよ!」

花苗を引っ張り、リビングを出ていった朱雀。
ドアを見ながら呟く二人。
「朱兄ちゃん、酷くなってきてるね……執着」
「あぁ…」
「大丈夫かな?」
「大丈夫だ。
朱雀の中心は“花苗と過ごす”こと。
花苗を傷つけたりはしない。
アイツは“花苗の為”なら、自分を抑え込むことが出きる。そうゆう意味では、俺達の中で一番強いからな!」
「俺が言ってるのは、花苗自身だよ」
「そうだな。朱雀が壊れる前に、花苗が壊れるかもな……」
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