日溜まりの憂鬱
「当初は家庭に専念するつもりでした。それ以外の理由はございません」そう答えはしたものの何となく口の中に苦さを感じてしまった。

 けれど、全体的に無難に受け答えできたはずだ。面接を終える頃には、少し世間話もしたし、ネガティブな印象は持たれなかったと思う。
 ひとまず面接を終えたことで肩の荷がおりた菜穂は、その日はライフマーケットで買い物をし帰宅した。

 その夜―――

「面接どうだった?」

「緊張したよ。でも、まあまあうまく受け答えできたと思う」

「そっかそっか、良かったな」

 風呂上がり、濡れ髪をタオルで拭きながら修也が言った。

「ずっと仕事してなかったし、ちゃんとやれるか不安だけど頑張ろうと思う」

 修也は優しく目を細めて、菜穂の頭をひと撫でした。
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