レムナント

「………っ」

ガウンを着て、固まったままのアリスにシドはグラスに水を入れて差し出した。


「昨日、酒を飲んで酔っ払ったんだ。」

「えっ?私、お酒なんて飲んでないです。。」

「一緒にいた男に飲まされたんだろ?」

アリスはうっすらしか残っていない昨夜の記憶を辿った。

そういえば、ダンスをした後に飲み物を渡されて…

あの時一気に飲み干したのはお酒だったの?!


シドは椅子に腰掛けると、頬杖をしてアリスを見た。


「…仮面舞踏会では、ああやって誘ってくる奴もいる。風紀が乱れると言って仮面舞踏会が禁止される国もある。」

アリスは水を飲み干すと身震いをした。

じゃあ、あの人は私を誘ってあんなことやこんな事をするつもりだったの…


「それより、どうして私こんな姿なんですか?!」

「…お前が脱がせろと言うから。」


「きゃー!!!!」

アリスは再び大きな悲鳴を上げた。

シドはアリスの声に耳を塞いで顔を顰めた。


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