真夜中に恋の舞う
すると、ガラガラとまた大きな音を立てて開いた生徒会室のドア。
「あれ、犀川くん。今日来てたの?」
「浅木さん、お疲れ様」
驚いて振り返ると、そこにはモデルさんみたいに綺麗な女の子が立っていた。
犀川くんはさっきの意地悪な顔から、いつもの王子様スマイルに戻っていて、切り替えの速さに感心してしまう。
入ってきたのは、生徒会副会長の浅木さん。
学年で1番の美人で、頭も良くて、みんなの憧れの女の子だ。
浅木さんはちらりと私の方を見て、不思議そうな顔をする。
「あなたは?」
私のことを見ながら問いかけられて、言葉に詰まる。
浅木さんが美人なので何だか気後れしてしまったのもそうなのだけれど、そもそも私は、どうして生徒会室にいるんだっけ。
いや、犀川くんに呼び出されたからなんだけど、犀川くんが私を生徒会室に呼ぶ、合理的な理由がない。
1人でアワアワしていると、犀川くんが「ちょっとこの作業手伝ってもらったんだ。今日暇だって言ってたから」とニコニコしながら答える。