真夜中に恋の舞う
「ねえ、はるちゃん。北区と西区の対立って知ってる?」
次の日。昼休みにお弁当を食べながら、はるちゃんに聞く。
結局あの後、ジョーくんに連絡はしなかった。
犀川くんに言われなくたって、別にジョーくんと仲良くなるつもりはなかった。いい人そうだったけど、ちょっと怖いし。
「ああ、何となくは知ってるよ。西区にも北区にも不良はいて対立してるんだけど、北区は薬物とか、女の子の斡旋とか、色々怖いことしてるみたい。
だから夜に北区の方に行くなって、小さい頃とかよく怒られたよね。西区は逆で、北区の勢力がこっちに来ないように戦ってくれてるらしいよ。
北区が西区を侵略してきたら、西区も治安が悪くなっちゃうから。だから西区って結構治安がいいんだよね。ほら、この妹尾尋さんも西区のメンバーだよ。尋さんに守られてると思うと興奮するよね〜」
はるちゃんはこの前見せてくれた尋くんの隠し撮り写真を見ながらうっとりしている。
なるほど、そういうことなのか。
対立関係について何となくはわかったけれど、やっぱり私とは別の世界の話だなぁ、と思う。
ていうか、その話だとやっぱり西高校のジョーくんは、悪い人なんだろうか。
「そういえば、この前合コンで仲良くなった人がいて。この人なんだけど……」
はるちゃん、いつの間に合コンなんてしてたんだ。と思いながらはるちゃんのスマホ画面に映し出された人を見て、驚いて目を丸くする。
「え、ジョーくん!?」