俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
仕事上でも二人が結婚する事が一番いいに決まってる。

世の中には釣り合う相手がちゃんといる。

高望みや背伸びしちゃいけない。

理樹さんの気持ちは痛いほど伝わっている。

私を愛してくれている。

でも、私さえいなければ、理樹さんは上部コーポレーションご令嬢と結婚して順風満帆な人生を歩むはずだった。

あのニューヨークでの出会いがなければ……

「亜紀」

私が振り向くとそこには健さんが立っていた。

「どうしたの?こんなところで、その荷物、どこかに旅行?」

「あ、はい」

多分健さんは全てお見通しなんだろうな。

「誰と行くの?理樹は知ってるの?」

「それは……」

「もしかして、家出かな?理樹が浮気でもした?」

「理樹さんに限ってそんな事しません」

「そうか、ならいいけど……」

「あの、私失礼します」

「週刊誌の記事の事が気になってるのかな」

私は俯いて答えられなかった。

「亜紀はわかりやすいな」

「違います、理樹さんの側にいるのは私じゃなかっただけです」

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