俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
大学時代、一人で本を読んでいる真央の姿が目に止まり、いつしか真央を目で追っていた。

そんなある日、理樹の彼女だと知って愕然とした。

阿部真央、僕の初恋の女性だった。

理樹から奪うなど考えも及ばず、静かに見守ることしか出来なかった。

「阿部、顔色悪いけど大丈夫か」

「東條くん、ありがとう、大丈夫よ」

「今日は東條理樹と一緒じゃないのか」

「えっ?」

「東條理樹と付き合ってるんだろ?」

「なんで知ってるの?」

「ああ、東條から聞いた、なんかあいつ、僕に懐いてくるんだよな、だから阿部の事も教えてくれたんだ」

「そうだったの」

「なあ、どこか悪いんじゃないか」

「大丈夫、ちょっと疲れているだけだから」

「送っていくよ」

「大丈夫だから放っておいて」

珍しくこの時、真央は声を荒げた。

既に癌が進行しており、真央の命の炎は消えかかっていたのだ。


それからしばらくして、真央の病状は悪化し、入院を余儀なくされた。

理樹は毎日病院へ足を運んでいた。

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