桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

数日後、テスト返却された。

返ってきたテストを見てみると、苦手な数学では、自分でもびっくりするぐらいの高得点。

「蒼、テストどうだった?」

隣にいる陽向が聞いてきた。

「えっとね、現代文や社会などは70点代や80点代だけど、数学はなんと100点だったよ」

「凄い! 蒼、よく頑張ったね!」

「陽向のおかげだよ。ところで、陽向は何点だったの?」

「俺も蒼と同じ100点」

「陽向も凄いよ! というか、全部100点⁉︎」

見るつもりじゃなかったけど、チラッと点数が見えてしまったのだ。

陽向のテストには、どれもこれも1の隣に0が2つついてる。

「陽向は、昔から頭良いからね」

「俺なんて赤点ギリギリだし」

苦笑いしながら私たちのもとへやってきた美菜ちゃんと琉輝くん。

「蒼ちゃんも凄いじゃん!」

「えへへっ。陽向に勉強教えてもらったんだ」

「いつの間に。って、なになに〜? 蒼ちゃん、陽向のこと呼び捨てで呼び合う仲になったの?」

「うん」

美菜ちゃんの問いに、少し照れ臭くなりながらも頷くと‥‥‥。

「じゃあ、私も呼び捨てで呼んで良い? なんかその方が親友って感じするじゃん! 私のことは、“美菜”って呼んでいいから」

「わ、分かった!」

友達を通り越して親友になれたことに嬉しさを感じる。
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