桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

きみと過ごした日々


高校の入学式の日、俺は少し早めに家をでた。

学校に着いて提示板を見た時、俺は瞬きをするのを忘れた。

そこには、長年探し続けていた蒼の名前が書いてあったから。

しかも、3クラスあるのに同じクラス。

「やっと、蒼に会える!」

俺は、周りにまだ誰もいないのをいい事に喜びを隠しきれなかった。

そんな俺の目の前を、ピンク色のなにかがひらひらと横切った。

掲示板の横を見ると、1本の桜の木がそびえ立っていた。

満開に咲いていて、穏やかで優しい春風にのって花びらが宙に舞い散る。

その光景は、7年前のあの日見た光景と似ていて懐かしく感じ、ますます嬉しくなった俺は胸に期待を弾ませ、軽い足取りで教室へと向かった。

扉には、座席表の紙が貼ってあり自分の席を探す。

そして、蒼の席も‥‥‥。

「‥‥‥!」

またしても驚いた。

蒼の席は、ベランダ側の1番後ろの席。

そして、俺はその隣の席だったのだ。

教室に入るなり自分の席に着くと、蒼が来るのをひたすら待つ。

内心、ハラハラドキドキしている。

あの日から7年経った蒼はどんな姿になってるんだろう?

同姓同名とかじゃないよね?

もし、違ってたら‥‥‥。

そんな事を考えていた時、ふと教室に入ってきたある人物に目がとまった。
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