政略夫婦が迎えた初夜は、あまりに淫らで もどかしい


よくよく考えてみれば、蓮見さんの本当の目的が特許だとしてもそれになんの問題があるのかと思えてきていた。

もともとが政略結婚なのだ。仕事上のメリットが絡んでいて当然だし、特許がどうのという話は、事実なら蓮見さんと父が詰めればいいことだ。

私には関係ない。

白崎のことといい、特許の件といい、小技で体勢を崩されていたのだと後から気付いたのだから、私はまだまだ子どもなのだろう。

子どもだから……こんなことになっているんだ。

この結婚では、最初からお互いの望みはこれ以上ないほどにハッキリとしていた。
私は嘘の〝経済力〟で、蓮見さんは周囲を黙らせるための形だけの結婚。

私はそれが納得いかなかったから壊そうとこっそり奮起して、それなのに手料理を褒められたり体を重ねたり、一緒に過ごした時間の中で知った蓮見さんにどんどん惹かれて気付いたら好きになっていたわけだ。

結婚に愛を求めてやまない私が、結婚に愛の必要性を感じない蓮見さんを好きになった。

なんて間抜けな結論だろうと、自分自身を笑いたくなる。
でも、そもそも蓮見さんがいけないと思う。愛はいらないくせに、普通に人を思いやったりする気持ちは持っているから私が惹かれてしまうんだ。

思考回路がそこらじゅうで地割れを起こし渋滞が起こっていた。


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