悪いコの味方!



「だいじょばない!だって…だって女の子たちへの絡み方もワンパターンで、明らかにただわたしに見せるだけにしてるみたいで…これじゃあ本当にわたしのせいで女の子たちが遊ばれちゃってるよ」



悪いコすぎる。


文句を言いたいのに相手にもしたくない。気にしたくもなかったのに、少女まんがを穏やかに読めないなんて穏やかじゃない!



「あいつとなんかあったの?」



ちふちゃんが聞いてくる。ふたりともわたしが愚痴を言いたくて誘ったらすぐに着いてきてくれてファーストフードの一番大きなファミリーサイズのポテトをみんなで分け合っている。


せっかく楽しいはずなのに真篠くんのせいで楽しくない。



「……からかわれた」

「からかう?いつもじゃない」


「ちがうよ。キ……キ、キ、キ、キス…なんて、しようとしてきたの初めてだよ」



うそ。からかうような目じゃなかった。

わたしのことがきらいみたいな、そんな鋭い視線だった。



「…ミスコンね、本当は真篠くん、1位だったんだって。それなのに票を捨てて3位になったんだって。操作したんだって。本当に3位だった人、あまり良いうわさがなかったみたいで。…わたしを守るためでしょって、1位の先輩に言われてるところを目撃しちゃったの」



そのあと先生にも聞いて、やっぱりそうだったって聞いた。そんなことしていいのか聞いたら「本人がいいならべつに」って。ゆるい学校だよね。

1位とか3位とか、話していて混乱してくる。来年はもうやりたくない。


「守ってくれてありがとうって言いたかったのに、ちがうって言うんだよ。関係ないって言って、黙れって言ってきてそれで……」


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