世界が終わるとき、きみを見つける

君の名前。

「私も、楽器取ってきていい?」

「......はい」

まだ名前を聞いていない君に許可を取って音楽室へ向かう。

すでに老朽化してギシギシときしむドアを開け、楽器ケースを手に取った。

「日音、珍しいね。あんたが勧誘してくるなんて。」

「おお、神白!珍しいな」

初めて勧誘してきた部長への一言がそれかよ。と心のなかで突っ込む。

「もう、先生!春乃!私だって勧誘くらいするよ!」

少しだけ頬を膨らませて、君の手を取り音楽室から出る。

とりあえず、私のクラスに行こう。

今なら誰も使ってないはず。
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