世界が終わるとき、きみを見つける
高校一年生、夏。 side吹

先輩のソロ


「はい、これ吹くんの楽譜!コンクール曲!」

日音先輩から渡されたコンクール曲、さくらのうた。

フルート2ndで出られるらしい。

先輩とコンクール。嬉しい、恥ずかしいから言わないけど。

先輩はピッコロ。フルートもすごく上手なのに、ピッコロも柔らかい音とか、強すぎる。

優しいその音色で癒やされていると、実里先輩が口を開いた。

「日音先輩、1stソロ、吹いくださいね。持ち替えして。」

おお、さすが実里先輩。いつでも単刀直入。

「え!?なんで私が!!」

目をまんまるにしてびっくりする日音先輩。

面白い。
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