香澄side 最初のものがたり
来週から、1年生試合が始まる。
新人戦に向けて練習試合が加速する。
今まで以上にみんな力が入っている。
ツバサくんだけじゃない。
どこかみんな雰囲気が違う。
緊張してるんだ。
そう思った。
なんとか緊張をほぐして、いつもの力を
出して欲しい。
だからマネージャーの先輩たちと一緒に
1人1人にお守りを作った。
頑張ってね、応援してる。
ずっとずっとみんなを見てきたから。
お守りを作りながら、自分自身も緊張して
いる事に気がついた。
マネージャーなのにね、おかしい。
でも、同じように戦うよ、当日は。
私達の想いが伝わり部員達の士気が高まった。
明日は桜高と練習試合だ。
なぁなさん、来るのかな。
部室裏で1人、
空を見上げているツバサくんに
駆け寄った。
「ツバサくん、明日の試合、頑張ろうね。」
私も一緒だよ、一緒に戦うよって、
心の中で伝えた。
ツバサくんは汗と泥だらけの顔を
汚れた手でこするから、真っ黒になっている。
「なぁなに内緒にしてたのに、バレちゃってた。でも応援してくれるって言うから、
みっともないとこ、見せられないなぁ」
そっか。
そうだよね。
良かったね。
大好きななぁなさんに応援してもらえたら、
明日はきっと勝てるね。
私はもう、諦めないとね。
結構、頑張ったんだけどな。
もう、諦めないと。
諦められるかな。
ダメだ、泣きそうになる。
泣けない。
「香澄ちゃん、どうしたの?泣いてるの?」
ツバサくん、普通は女の子にそんなこと
聞かないんだよ。
見ないフリをしてくれるか、
隠してくれるんだよ。
「なんで泣くの?お腹痛いの?
何か俺、変なこと言ったかな。」
オロオロしてる。
かわいいなぁ。諦められないよ。
なんとか涙を拭いて笑顔を作った
「大丈夫。ちょっと緊張しちゃったの。
私が戦う訳じゃないのにね。」
そう言う私を突然、ぎゅっと抱きしめた。
え。
息が止まるかと思った。
それは一瞬で、ツバサくんも慌てて
私を離した。
「ごめ、俺、何、してるんだろ。本当
ごめん。」
上向いたり下向いたり動揺してる。
その姿に満足した。
うん、これで失恋できる。
大丈夫だよ、誤解なんてしないから。
今までツバサくんを見てきたから分かる。
好きな子がいるのに、
他の子に気がそれたりしない。
泣いていたから、男女関係なく人として
ハグした。
うん、これで失恋できる。
一瞬でも抱きしめてくれて、
動揺してくれたなら、それは私を女の子として
見てくれたって事だ。
私の想いは報われた。
ありがとう。
あなたのおかげで私、何かに夢中になれた。
少しだけ本当の私になれたの。
これからも全力で部員たちを支えるから。
明日は頑張ろうね。
新人戦に向けて練習試合が加速する。
今まで以上にみんな力が入っている。
ツバサくんだけじゃない。
どこかみんな雰囲気が違う。
緊張してるんだ。
そう思った。
なんとか緊張をほぐして、いつもの力を
出して欲しい。
だからマネージャーの先輩たちと一緒に
1人1人にお守りを作った。
頑張ってね、応援してる。
ずっとずっとみんなを見てきたから。
お守りを作りながら、自分自身も緊張して
いる事に気がついた。
マネージャーなのにね、おかしい。
でも、同じように戦うよ、当日は。
私達の想いが伝わり部員達の士気が高まった。
明日は桜高と練習試合だ。
なぁなさん、来るのかな。
部室裏で1人、
空を見上げているツバサくんに
駆け寄った。
「ツバサくん、明日の試合、頑張ろうね。」
私も一緒だよ、一緒に戦うよって、
心の中で伝えた。
ツバサくんは汗と泥だらけの顔を
汚れた手でこするから、真っ黒になっている。
「なぁなに内緒にしてたのに、バレちゃってた。でも応援してくれるって言うから、
みっともないとこ、見せられないなぁ」
そっか。
そうだよね。
良かったね。
大好きななぁなさんに応援してもらえたら、
明日はきっと勝てるね。
私はもう、諦めないとね。
結構、頑張ったんだけどな。
もう、諦めないと。
諦められるかな。
ダメだ、泣きそうになる。
泣けない。
「香澄ちゃん、どうしたの?泣いてるの?」
ツバサくん、普通は女の子にそんなこと
聞かないんだよ。
見ないフリをしてくれるか、
隠してくれるんだよ。
「なんで泣くの?お腹痛いの?
何か俺、変なこと言ったかな。」
オロオロしてる。
かわいいなぁ。諦められないよ。
なんとか涙を拭いて笑顔を作った
「大丈夫。ちょっと緊張しちゃったの。
私が戦う訳じゃないのにね。」
そう言う私を突然、ぎゅっと抱きしめた。
え。
息が止まるかと思った。
それは一瞬で、ツバサくんも慌てて
私を離した。
「ごめ、俺、何、してるんだろ。本当
ごめん。」
上向いたり下向いたり動揺してる。
その姿に満足した。
うん、これで失恋できる。
大丈夫だよ、誤解なんてしないから。
今までツバサくんを見てきたから分かる。
好きな子がいるのに、
他の子に気がそれたりしない。
泣いていたから、男女関係なく人として
ハグした。
うん、これで失恋できる。
一瞬でも抱きしめてくれて、
動揺してくれたなら、それは私を女の子として
見てくれたって事だ。
私の想いは報われた。
ありがとう。
あなたのおかげで私、何かに夢中になれた。
少しだけ本当の私になれたの。
これからも全力で部員たちを支えるから。
明日は頑張ろうね。