エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
 ——どうにかこうにか踏みとどまりはしたものの、それはもはや一時的なものにすぎない。

 こうなってしまったら、もう突き進むしかなかった。
 もちろん無視強いをするつもりはない。千春に苦痛を与えるようなことは、絶対にしないと決めている。
 いきなり愛を押し付けて、追い詰めるようなことも言語道断だ。
 だがうまく言い含めて、このまま本当の夫婦になることは可能だろう。
 彼女が自然と異性からの愛を、ひいては清司郎を受け入れられるように導いて。
 そうすれば彼女はなんの疑問も感じることなく、清司郎のものになる。
 ふたりは本当の夫婦になれるのだ。

 そうだ、それしか道はない。

 そう決意して、清司郎はゆっくりと目を閉じた。
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