外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~


「……よし、できたかな」


 食事の用意が済んだのは、六時を少し回ったところ。

 日本に戻ってからの晶さんの勤務時間は、朝九時半から夕方六時十五分と聞いている。

 でも、在外公館での仕事よりも仕事量があり、定時に仕事を終われないことが多いという。

 国の動きに左右される仕事柄、国会開催期間や国際情勢に大きな動きがあれば夜遅くまで仕事をしていることもあるようだ。

 その状況を考えると、一緒に夕食を囲むのも稀になってしまうのかもしれない。

 夕食の支度を終えてひと段落し、手に取ったスマートフォンには晶さんからの連絡は入っていなかった。

 昼休みに連絡をくれたのが最後のメッセージ。

 そのときは、引っ越しは無事に済んだかと訊かれ、今晩遅くなりそうなら連絡を入れると言っていた。

 未だ連絡がないのを見ると、スマートフォンを手に取れないくらい忙しいのかもしれない。

 連絡を待ってスマートフォンを眺めていても仕方ないと切り替え、先にバスルームにいくことに決めた。

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