外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~


「美鈴さん、折り入って話したいことって?」


 またあれこれ悩んでいると、佑華さんのほうから話を切り出してきた。


「〝折り入って〟なんてメッセージきたから、どうしたのかと心配してたんですけど……?」

「ああ、ごめんね。えっと、ちょっと、佑華さんに聞きたいことがあってさ」

「はい。私でわかることならなんでも」

「……あの、検査薬あるじゃん。あれって、結果はほぼ確定なんだよね?」


 そう訊くと、佑華さんの元々大きな目が更に大きくなる。


「え、検査薬って、妊娠検査薬ってことですよね?」


 確認するように言った佑華さんは、「って、私に訊くんだからそうか」と自分にツッコむ。彼女は助産師だからだ。

 小さく頷くと、佑華さんは今度はハッとしたような表情を見せた。


「私の経験上ですけど、あれで陽性が出れば、妊娠はほぼ確実かと。今のところ、検査薬で陽性反応が出て病院に調べに来た方で、妊娠はしていませんでしたっていう方に出会ったことはないので。あ、でも、検査薬にもよるので絶対とは言い切れないです」

「そっか……だよね」

「え……あの、美鈴さん、もしかして……?」


 頷き「そうなの」と言うと、佑華さんはパッと表情を輝かせる。

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