外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~


 今日のパーティーの話をされたあのとき、晶さんのことを避けるような態度をつい取ってしまった。

 その後も、様々な心配や不安のせいで私の晶さんに対する態度はぎこちない。

 妊娠の事実、着実に育っているお腹の子のことを隠していること。そして、マンションを訪れていたあの女性のこと。

 あのとき、いつも通り晶さんと接することができなかった。

 その後、晶さんは私の取ったおかしな行動について特に何も言ってはこない。普段通りの生活を共に送り、会話もする。

 だけど、確実に不自然な距離感ができてしまったのは否めない。

 それまでは〝夫婦〟と呼べる触れ合いを求めてくれていた晶さんが、一切私に触れなくなってしまったのだ。

 思わずとはいえ私から拒否したくせに、晶さんに触れられないことが寂しいと思ってしまう自分がいる。

 どうしてこんな感情が渦巻くのか。

 それを真剣に考えたとき、晶さんのことを想っているからだと気がついた。

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