外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~


 私の体調も考慮し、撮影は一時間しないうちに終了した。

 その後、早めの夕食を外で食べ帰宅。

 今日撮影してもらった写真は即日データで転送されてきて、帰宅後すぐに晶さんがタブレット端末で見せてくれた。

 リビングのソファに並んで掛け、早速データを見ていく。


「すごい……どれもめちゃくちゃ素敵」


 自分の写っている写真に対して言う言葉ではないけれど、そんなこともどうでもいいくらい良い写真ばかりなのだ。

 慣れない硬い表情ばかりかと思いきや、それは初めの数枚のみ。

 あとは自然で、どれも捨てがたいものばかりだ。


「モデルがいいからだな」

「え、違いますよ。カメラマンの腕があるからです」

「いや、モデルが美しいからだろ」

「だから、違いますって──」


 そんな言い合いをしているうち、晶さんの傾いた顔が近づいてくる。あっという間に唇を奪われ、触れ合った柔らかい感触に鼓動が音を響かせた。

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