【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。
【婚姻届、提出しました】

挨拶✕初めてのキス



「お母さん、お父さん、初めまして。 天野川大翔と言います」

 婚姻届を提出する数日前、天野川さんはわたしの家へ来ていた。
 わたしは未だに実家暮らしだったため、わたしの両親は、わたしがいきなり男を連れてきたことに驚いていた。

「え、あ、天野川って……?」

 お母さんは天野川さんを見ながら、あたふたとしていた。

「失礼しました。 株式会社スリーデイズの副社長を務めております、天野川大翔です」

「スリーデイズ……。って、ええっ!? あ、も、もしかして、あなた天野川秀人の……?」

「はい。息子です」

「えっ!? お、お母さんっ!?」

 娘が連れてきた男が、まさかのあの有名企業の副社長だと知った瞬間、お母さんは驚きで気絶してしまいそうになった。
 そんなお母さんを、天野川さんは「大丈夫ですか?お母さん」と支えていた。

「え、えぇ……すみませんねぇ」

「いえ、ケガがなくて良かったです」

 と、天野川さんはお母さんにキラキラとした笑顔を向けていた。

「さ、さぁ、天野川さん。こちらへどうぞ、大した家じゃないですが……」

「ありがとうございます」
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