【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。

初めてのミーティング



 その次の日、わたしはスリーデイズの本社にいた。スイーツ作りの開発を手伝うという指名があるからだ。
 そのスイーツ作りのために、わたしは会社を辞めた。 美味しいスイーツを作るためなら、時間は惜しまない。

「まず、こちらが企画書になります」

 と、スイーツ開発部のリーダーである片山(かたやま)さんが、会議室に座る全員に資料を配っていく。

「どうぞ、森原さん」

「あ、ありがとうございます」

 何故かここに来るたびに緊張する。ドキドキして、心臓が口から飛び出そうだ。
 
「まず初めに作るスイーツのコンセプトですが、コンセプトは幸せを作るスイーツです」

 幸せを作るスイーツ……? なんかすごそうなコンセプトだな……。

「食べた人が幸せだと感じる瞬間を作るスイーツを作りたいと、副社長から直々に依頼がありました」

 天野川さんからの、依頼? 幸せを感じる瞬間を作るスイーツか……。
 そういうスイーツが出来たら、わたしも嬉しいな。なんて、勝手に思っていた。

「まずはみんなで、どんなスイーツを作りたいか提案を出し合っていきましょうか。 何でも言ってくれて構わないわ」
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