【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。

幸せの夜



「ただいま」

「あ、おかえりなさい。大翔さん」

 先日から何日間か出張に行っていた大翔さんだったが、今日家に帰ってきた。

「出張、お疲れ様でした」

「ああ。 ありがとう、由紀乃」

 大翔さんはわたしにそっと近付くと、わたしを抱きしめてくれた。 何日間かぶりに会えた大翔さんの、その優しい香りがふわっと香る。  
 
「由紀乃、これお土産だ。由紀乃の大好きなスイーツだ」

「えっ!? ありがとうございます……!」

 大翔さんは出張のお土産として、美味しそうなスイーツをいくつか買ってきてくれたのだった。

「うわ、可愛い……。美味しそうですね」

「由紀乃が好きそうな物ばかりを選んできた」

 と言ってくれる大翔さん。

「ありがとうございます。……大切に食べますね、もったいので」

「そうか。それもいいな」

「本当にありがとうございます。 すごく嬉しいです」

 と言うと、大翔さんは「そんなに喜んでもらえるなんて思わなかったな」と言っていた。

「大翔さん。 わたし、たくさんスイーツが食べられると思うと……本当に幸せなんです」

 スイーツって、人を幸せにする。
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