スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜



 それどころか魔法を豪快に使ったお陰なのか、どこか生き生きとしている気がする。


「なんで俺が止めたのに危険を犯してまで、ここへ来た!俺が時間を掛ければ回復出来る上に、自力でこいつを殴りに来ればそれで済んだだろうが!」

「だって!レイが苦しんでるのを見ていたら、居ても立ってもいられなくなったんだもの!」

「ルフィアの愛らしい顔に傷がついたらどうするつもりだったんだ!!」

「私だって一刻も早くレイの優しい笑顔が見たくて、解毒剤を取りに行ったのよ?!」

「俺はルフィアが傍で看病してくれていた、あの時間が至福のひとときだったんだからな!!」

「……ガウ」


 互いに息切れがする程、大きな声でハイネを挟んで言い合いを続けた。

 せっかくレイが無事だったのに、何私ったらこんなにムキになってるの?

 ここに来て何故か素直になれない気持ちがむず痒い。


「――もうどこにも行かないでくれ」


 ふわりと優しい香りと共に温かい温もりが私を包み込む。

 レイに抱きしめられていると理解する前に耳元で甘く囁かれる。


「俺にはルフィアが必要なんだ。スキルではなく、ルフィアという存在が俺の隣には必要なんだ。ルフィア無しじゃ、もう生きられない。こんな気持ち生まれて初めてだ」

「レッレイ……」

「どうか俺の傍にいて欲しい……駄目か?」


 冷酷非道と恐れられる私の国の国王様は、本当はとても優しくて皆の事を大切に思う素敵な人。



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