スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜



 よくよく耳を澄ませていると、彼女以外のもう一人の足音が扉の前で止まる。


「昨日ルフィアだって俺の看病をしてくれたんだ。俺だってルフィアの傍に居たい」

「そう言って、本当はルフィア様の寝顔を拝見するのが目的でしょう?」

「なっ……!お、俺は別に……!!」

「ルフィア様の面倒はこの私の仕事です!勝手に寝顔を覗こうなんて、マスターでも許しませんよ!いいですか?このわ、た、し、がルフィア様の世話係りであり、私の友達なんですからね!!」

「聞いていれば私の、私のと……喧しい!ルフィアは俺の女だ!」

「いいえ!私の大事な友達です!」


 何やら壮絶な戦いが今にも始まりそうな空気が扉越しに流れてきて、慌てて寝台から飛び起きて扉を開ける。


「おっ、おはよう……!」


 突然の私の登場に睨み合っていた二人の顔が瞬時に明るくなって、同時に駆け寄ってくる。


「おはよう、ルフィア!気分はどうだ?」

「ルフィア様、おはようございます。ご気分悪くないですか?」

「そんな心配しないで。もう大丈夫だから」


 元気な素振りを見せると胸を撫で下ろした二人はどこか悔しそうな表情をチラつかせたけれど、敢えてそこは触れないでおいた。




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