スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「私ね、貴方のこと誤解してたの。私の事を嫌ってるのかもって。でもね、ユツィーの優しい手つきに、嘘はないってそう思ったの。私……ユツィーのこと好きよ。私の世話係になってくれて、ありがとう」
一緒に布団に包まれながら、ユツィーの手を取って素直な気持ちをぶつけた。
私の言葉に反応の仕方が無いのか、ユツィーは黙ったままだった。
でも、掴んだ手は離さない……それだけで良かった。
「おやすみ。また明日も、よろしく……ね」
急にやってきた睡魔に、意識が朦朧としてくる。
そんな私にユツィーは腕の魔法陣を光らせて、部屋の灯りを一瞬にして消した。
夜空の星明かりが薄らと部屋を照らす空間で、私はユツィーの温もりに触れながらゆっくりと眠りに落ちていく。
『スキル〖新芽の息吹〗を獲得しました』
遠くからそんな声が聞こえたような、聞こえてないような……。
ただ私はユツィーの温もりがとても優しくて、ストンと落ちるように眠りについた。