天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「月影大丈夫だった?」
「…ああ」
「あの人は誰なの?私を知っているの?」
「奴は何か言っていたか?」
「いいえ。ただ私の名前を呼んでいたから」
「そうか…」
それから月影は黙ってしまった。
「ねえ…」
「なぜ外にでた?」
他にも聞こうと思ったが話を遮られる。
いつもの彼とは違う。
月影怒っているのかしら。
「えっと…その、ごめんなさい」
「それは…?」
緊迫した空気の中、彼が私の手に持つ籠に気づいて聞いてきた。