天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


皇太子宮をはじめ虹彩樹の庭と岩場に行ったが見つからない。


あとは忘却湖だ。


衛兵がいない?


いつも忘却湖の入り口には衛兵がいたはず。


不審に思った紅蓮はいそいで中に入った。


「白蘭!どこだ!どこにいる!」


忘却湖は相変わらず美しかった。


先ほどまで誰かがいたような気配がした。


白蘭なのか…?


答えはすぐに見つかった。


湖の淵に小瓶が落ちていた。


確認すると八咫烏の刻印がされていた。中には少量の薬が入っている。


『今度紅蓮にも八咫烏一族の秘伝の薬を作ってあげるわ』


想いを告げる前に虹彩樹の庭でそう言う白蘭の顔が浮かんだ。


「白蘭…ここにいたのか?」



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