天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


白蘭は不思議そうにこちらを見つめた。


紅蓮は急いで近づき白蘭を腕の中に収める。


幻覚ではない…生きていた。


この長い黒髪も細い腰も、間違いない。白蘭だ。


この数年の間、死んだと思っていた愛する人が生きていた。


そのことに紅蓮は涙した。


だがそれもつかの間のこと。突然、白蘭は紅蓮を突き放すと走って逃げた。


どうしたというのか。紅蓮も慌てて追いかける。


すると一つの家が見えてきた。月影もいる。


白蘭は月影の胸に飛び込む、そして家の中に入りそうになるのを私は引き止めた。


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