囚われて、落ちていく
刹那はその女性の腕をさりげなくほどき、押し返した。

「悪いが、今は“大切な人”と一緒にいる。
…………退いてくれ」
都麦に見えないように、その女性を睨みつけ言った。

「━━━━━━!!!!
は、はい…」
刹那の鋭い刺すような瞳、声のトーンに嫌悪感が染み付いているようだ。
女性は思わず、後ずさった。

「つむちゃん、行こ?」
ニコッと微笑み、外に促した。
「うん…」
刹那に手を引かれ、店を出たのだった。

「刹那さん、今の人って…」
「んー、クラブのホステス」
「あ、そうだったんだ。そうだよね…刹那さん、社長さんだからクラブ行くこともあるよね」
「仕事でね、どうしてもの時だけ行ってるんだ。
ごめんね…つむちゃんが悲しむと思って言わないようにしてたんだけど、こんな風につむちゃんを傷つけるなんて……」
「ううん。いいの。よくわからないけど、仕事のお付き合いもあるもんね。だから大丈夫だよ!
刹那さん、謝らないで?」
都麦は刹那を安心させるように、微笑み言った。

「………」
「刹那…さん?」
「…………そんな風に、笑わないでよ……」
「え……」

「そんな泣きそうな顔で、笑わないで!」
刹那は都麦の頬を両手で包み込み、目を覗き込んで言った。
「………」
「いいんだよ?僕にはもっと、ワガママ言っても。
そんな顔させるくらいなら、困る位のワガママ言ってくれた方がマシだよ」

「刹那さん……」

「僕はつむちゃんの為なら、何でもするよ!
つむちゃんが僕の傍にいれくれるなら“何でも”
お願いも、できる限り叶えるって言ったよね?」

「うん…ありがとう、刹那さん」
都麦は刹那をジッと見つめ、微笑んだ。


マンションに帰り、刹那に貪るように抱かれる都麦。

「んんっ……んぁ…ぁ…」
「つむちゃ…」
「刹那…さ…だめ…また…」
「可愛い…つむちゃん…大好き……」
「━━━━━!!!
ひやぁ…また…?
待って!刹那さん…ちょっと…休憩…させて?」

何度果てても、刹那は止まらない。

「無理……好きすぎて…大好きすぎて……もう、止まらない…」
「あぁ……ぁ…んぁ…だめぇ…」

都麦の甘い声と、ベットのスプリングが部屋に響いていた。
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