囚われて、落ちていく
「え?煙草?」
「うん。都麦から煙草の臭いがする。
都麦は煙草嫌いでしょ?なのに友達は、都麦が嫌いな煙草を目の前で吸ったの?」
「え?由利ちゃんも、佐和ちゃんも吸わな……あ!」

東矢が吸っていたのを思い出す。

「酷い友達だね。
都麦の前で、煙草を吸うなんて……
都麦も言わなきゃ!吸わないでって!
あ、それとも嫌がってる都麦の前で吸ったの?」

都麦が煙草嫌いなので、刹那は都麦の前では極力煙草を吸わないようにしている。
でもそれは、刹那にとって当たり前のこと。
なのに、友達は都麦の前で吸った。
この事実に刹那は、言葉にならない怒りに包まれていた。

「違うよ!友達じゃなくて、東矢くんが━━━━━」
「は?
誰だ?それ…」

刹那の怒りは更に増幅し、あっという間に雰囲気が黒く染まった。

「あ、あの……今日ランチしてる時に、少し会って話をしたの。でも、本当に少しだけだよ!」
「都麦」
「は、はい!」
「大変だ……」

「え……!?」

「嫉妬にまみれて、埋もれて苦しい……
都麦、責任をもって嫉妬に埋もれた僕を助けてね」
そう言って、都麦を抱き上げた刹那。

そして寝室へ移動し、優しくベットに都麦を下ろした。組み敷いて、身体中に舌を這わせた。
「んんっ…や…ぁ…あ…あぁ…」
「都麦……東矢くんって誰?」
「んんっ…高校…生の時の、彼……」
「へぇー、で?どんな話したの?」
「振って…ごめんね…って…あと、刹那さ…の……話…」
都麦は必死に言葉を繋げる。

「そう…ちゃんと言ってくれた?
僕のこと“愛してる”って……!」

「━━━━━━!!
んぁぁ……刹那、さ…好き……」
二人が繋がり、ベットのスプリングが響く。
「…っ……ヤバ…もう…イキそ……」
「んぁぁ……だめぇ…」
「都麦……都麦…大好き…好き……好き…
まだまだ、終わらないからね……
今日は…都麦が失神しても…やめないから……
好きすぎて……嫉妬にまみれて…止まらないんだ……」
「待って……激し…身体が、もたな……
んんっ……んぁ…ぁ……」
都麦が意識をなくして、刹那が引き戻す。

「おかえり…ほら…まだ…終わらないよ……
何度でも…引き戻してやる……」
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